製品情報

PRODUCT

光増感剤とは

開始剤が励起できない光エネルギーを吸収し、これを光重合開始剤に伝播することで、重合速度や深部硬化性の改善、硬化特性(接着性、表面硬度等)を向上させる働きを持つ添加剤のことです。

特徴

アントラキュアー UVS シリーズは下記目的で使用されております。

  • UVカチオン系とラジカル系の両方で硬化を促進できる
  • 400nm周辺に長波長UVの吸収域で増感し、従来の水銀ランプ、無電極ランプ、LEDやレーザー光のような様々な光源で硬化性改善が期待できる
  • 深部硬化性の改善できる
  • これまで使用できなかった光重合開始剤を増感することで使える光開始剤候補を増やす
  • UVS-581またはUVS-2171とUVS-1331を併用することで透明性を上げ、黄色味低減又は無くすことができる
  • 光重合開始剤の添加量を減らす
  • 光増感剤性に加え重合禁止剤として作用することで解像性を向上させる

紫外可視吸収スペクトル

紫外可視吸収スペクトル

こんな方にお勧め

数百μm以上の厚膜を実現したい方

厚膜重合を行う場合、深部まで到達する長波長UV光を使用する必要があります。アントラキュアー®は、深部まで到達する長波長UV光を効率よく吸収し、開始剤にエネルギー伝播することでmmオーダーの厚膜重合を可能にします。

LED光源を使用したい方

省電力で発熱を抑えるLED光源を使用する場合、その発光波長は365~405と長波長側であり、かつ短波長です。アントラキュアー®はすべてのLEDの波長域のUV光を効率よく吸収できるので、従来の配合系に加えることで、現行と同等以上の硬化速度と特性発現が期待できます。

光開始剤との組み合わせ推奨一覧

光源 推奨組み合わせ
ラジカル系
(アクリレート etc.)
水銀ランプ UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 or UVS-1101
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-581
UV-LED 365
i line (365nm)
UVS-581
UVS-2171
UV-LED 375 nm
UV-LED 385 nm
UVS-581
UVS-2171
UV-LED 395nm UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 or UVS-1101
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-2171
UV-LED 405nm
h line (405nm)
UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-2171
光源 推奨組み合わせ
カチオン系
(脂環式エポキシ etc.)
水銀ランプ UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 or UVS-1101
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-581
UV-LED 365
i line (365nm)
UVS-581
UVS-2171
UV-LED 375 nm
UV-LED 385 nm
UVS-581
UVS-2171
UV-LED 395nm UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 or UVS-1101
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-2171
UV-LED 405nm
h line (405nm)
UVS-581
UVS-2171
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-2171
光源 推奨組み合わせ
ハイブリッド系
(アクリレート系とエポキシ系の混合物)
LED 365nm UVS-581
UVS-2171
UV-LED 395nm UVS-1331 or UVS-1101
UVS-581
UV-LED 405nm
h line (405nm)
UVS-1331 or UVS-1101
UVS-1331 (or UVS-1101) + UVS-2171

開始剤の有効吸収領域を遮光する添加剤との併用系

開始剤吸収領域を遮光するような添加剤配合系では、硬化速度が著しく遅くなります。
アントラキュアー®は、この遮光領域を超えた長波長UV光を活用し、短時間での硬化を可能にします。

厚膜重合におけるアントラキュアー®の増感効果

開始剤が励起する短波長UV光(青色)は深部まで届きません。
厚膜重合を行うには、長波長UV光(橙色)を使い膜の底まで光を届けなければいけません。
アントラキュアー®は長波長UV光を吸収し、開始剤の励起を助け、厚膜重合が可能になります。

法対応状況

製品名 アントラキュアー®​
UVS-1331​
アントラキュアー®​
UVS-1101​
アントラキュアー®
UVS-581​
アントラキュアー®
UVS-2171​
日本
(CSCL)​
登録 ― ​
( < 1MT/y)​
―​
( < 1MT/y)​
登録
中国
(IECSC)​
登録 登録 備案届出 *1​
(< 1MT/y)​
備案届出 *1​
(< 1MT/y)​
韓国
(KECL)​
既存化学物質 *2​
( < 1 MT/y)​
新規化学物質 *3 ​
( < 100kg/y)​
新規化学物質 *4​
( < 100 kg/y)​
既存化学物質 *2​
( < 1 MT/y)​
台湾 ​
(TSCI)​
登録 *5​ 登録 *5​ 登録 *5​ 登録 *5​
EU​
(EU REACH)​
登録 ―​
( < 1MT/y)​
―​
( < 1MT/y)​
―​
( < 1MT/y)​
GB​
(UK REACH)​
既得権移行手続き済み
(Grandfathered)
―​ ―​ ―​
米国 ​
(TSCA)​
―​ 登録
(Active)​
―​ ―​
カナダ ​
(DSL)​
―​ ―​
(NDSL)​
―​ ―​
  • *1 : 指定された輸入者により備案届出済み。当社指定の商社様を介さず、お客様自身で半製品として輸出する場合、お客様指定の現地輸入者様により備案届出が必要です。
  • *2 : Phase-in substance.
  • *3 : 当該製品を現地で輸入する前に、当社指定の商社またはお客様指定の現地輸入者様により新規化学物質としての申請が必要。
  • *4 : 日本から100kg/y未満輸出可能。当社指定のORを通じK-REACH上のLow Volume Registration物質であるが、K-OSHAに対応のOECDに即した試験実施が必要。
  • *5 : 日本から100kg/yを超える輸出が想定される場合、Phase 1登録が必要。